令和8年の社会保険改正をわかりやすく整理。保険料率改定、子ども・子育て支援金(4月分導入)、在職老齢年金の見直しなど、給与担当者と経営者が押さえておきたい実務ポイントを解説します。

― 給与担当者と経営者が押さえておきたいポイント ―
令和8年社会保険改正では、保険料率の変更や子ども・子育て支援金の導入、在職老齢年金の見直しなど、給与計算と経営判断の両方に影響する変更が予定されています。
特に押さえておきたいのが、
・協会けんぽの保険料率改定
・子ども・子育て支援金の新設
・在職老齢年金制度の見直し
といった内容です。なおこの記事では、社会保険料を「翌月控除」で処理している会社を前提に整理しています。
つまり、
・3月分 → 4月給与控除
・4月分 → 5月給与控除
という形で説明しています。給与担当者だけでなく、経営者の判断にも関わる改正なので整理していきます。

目次
・令和8年社会保険改正のポイント
・令和8年3月分(4月徴収)からの保険料率改定
・4月分(5月徴収)から子ども・子育て支援金が追加
・給与担当者が注意しておきたいポイント
・令和8年社会保険改正|在職老齢年金の見直し
・経営者にとっての影響
・まとめ
令和8年社会保険改正のポイント
令和8年の社会保険改正では、次の3点が大きなテーマになります。
・協会けんぽ保険料率の改定
・子ども・子育て支援金の導入
・在職老齢年金制度の見直し
給与計算実務に影響するだけでなく、
シニア人材の働き方や報酬設計にも関係する改正です。
令和8年3月分(4月徴収)からの保険料率改定
まず影響が出るのが、協会けんぽの保険料率です。
令和8年3月分(4月納付分)から、次のように変更されます。
健康保険料率
10.24% → 10.13%(引下げ)
介護保険料率
1.59% → 1.62%(引上げ)
健康保険料率は引き下げですが、
40歳以上64歳未満の被保険者に適用される介護保険料率は引き上げです。
その結果、健康保険+介護保険の合計では、わずかに引き下げとなります。
翌月控除の会社では、3月分(4月給与控除)から新しい保険料率が適用されるため、
4月給与では社会保険料が少し下がる形になる企業が多いでしょう。
協会けんぽの保険料率については、公式サイトでも確認できます。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/
4月分(5月徴収)から子ども・子育て支援金が追加
ただし、ここで注意したいのが次の変更です。
令和8年4月分から子ども・子育て支援金が新設されます。
支援金率は0.23%です。
この制度は少子化対策の安定財源として創設され、社会保険料とあわせて徴収される仕組みになります。
実務上の流れを整理すると、次のようになります。
3月分(4月徴収)
→ 保険料率改定のみ
→ 社会保険料は少し下がる
4月分(5月徴収)
→ 子ども・子育て支援金が追加
つまり、4月給与では一度下がり、5月給与で少し増えるという形になる会社が多くなります。
給与担当者が注意しておきたいポイント
今回の改正では、3月分と4月分で処理内容が変わる点が実務上のポイントです。
整理すると次の通りです。
3月分(4月給与控除)
→ 保険料率改定
4月分(5月給与控除)
→ 支援金追加
年度替わりのタイミングでもあるため、
・給与計算ソフトの設定確認
・社会保険料控除タイミングの確認
は早めに行っておくと安心です。
令和8年社会保険改正|在職老齢年金の見直し
2026年4月から、在職老齢年金の支給停止調整額が引き上げられます。
現在は、賃金+老齢厚生年金が月51万円を超えると、年金の一部が支給停止となります。
これが2026年4月からは月65万円に引き上げられます。
制度の概要は厚生労働省の資料でも確認できます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284.html
経営者にとっての影響
この改正により、これまでより多くの収入を得ても年金が減額されにくくなります。
企業の現場ではこれまで、
・年金減額を気にして勤務時間を抑える
・役員報酬を低めに設定する
・ベテラン社員の処遇を上げにくい
といったケースもありました。
今回の見直しにより、
・ベテラン社員の働き方
・シニア社員の処遇
・役員報酬の設計
といった部分で、経営判断の幅が広がる可能性があります。
まとめ
令和8年社会保険改正は、給与計算と経営判断の両方に影響する制度変更です。
特に実務では、3月分(4月徴収)と4月分(5月徴収)の違いを整理しておくことが重要です。
年度替わりで混乱しやすい部分でもあるため、今のうちから確認しておくことをおすすめします。
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