【健康保険証は2025年12月で廃止へ】マイナ保険証への移行・期限切れ保険証の扱い・資格確認書まで徹底解説

2024年12月から、従来の健康保険証の新規発行が停止され、いよいよ2025年12月2日に健康保険証が廃止となります。「健康保険証はいつまで使えるの?」「マイナ保険証を持っていない場合は?」という質問を、多くの事業者さま・従業員の方からいただくようになりました。

今回は、厚生労働省の最新情報等をもとに、制度の背景から実際の運用、期限切れ保険証の扱い、マイナ保険証が使えない場合の対応まで、分かりやすく整理してお伝えします。

目次

■ 健康保険証はいつまで使える?|廃止の日付と経過措置

まず押さえておきたいのは、健康保険証は2025年12月2日で制度として廃止されるという点です。現在お手元にある健康保険証は、有効期限までは使用できますが、それ以降の更新は行われません。

ただし、完全廃止後の混乱を避けるために、2026年3月31日までは特例的に期限切れの健康保険証も医療機関で使用できる経過措置が設けられています。

これは、医療機関がオンラインで被保険者資格を確認できれば、期限切れであっても保険診療を受けられるという運用です。「保険証が使えず、急に全額自己負担になってしまう」という事態を防ぐための安全策です。

■ なぜ健康保険証が廃止されるのか?|マイナ保険証への移行背景

健康保険証廃止の背景には、医療のデジタル化を進める目的があります。
マイナンバーカードを健康保険証として使う 「マイナ保険証」 は次のようなメリットがあります。

  • 過去の薬剤情報・診療情報の確認が正確にできる
  • 高額療養費制度の自己負担限度額が窓口で自動適用
  • 転職・引越し時の切替がスムーズ
  • 健康診断情報も医療機関に共有される(同意が必要)

医師や薬剤師に正しい医療情報が伝わることで、より安全で効率的な医療提供が可能になります。
もちろん、治療内容や医療データが勝手に医療機関へ共有されることはなく、毎回同意の確認があります。

■ 期限切れの健康保険証は使える?|廃止後の取り扱い

2025年12月2日以降、健康保険証は制度上廃止となりますが、前述のとおり2026年3月末までは期限切れ保険証も暫定的に使用可能です。

ただしポイントは以下のとおりです。

  • これは正式な保険証としての利用ではない
  • 医療機関側で資格確認が取れた場合に限り使用可能
  • マイナ保険証が読み取れないときの「保険資格確認の予備」として役立つ

したがって、期限切れだからといってすぐに捨てず、予備として一定期間持っておくことをおすすめします。

■ マイナ保険証を持っていない場合どうする?|資格確認書の発行

「マイナンバーカードを持っていない」「マイナ保険証に登録したくない」という方も一定数おられます。

そうした方には、医療保険者(協会けんぽ・健康保険組合など)から
「資格確認書」 が発行されます。

● 資格確認書とは?

  • 健康保険の加入資格を証明するもの
  • 無料で発行
  • 保険証の代わりとして医療機関で提示すれば保険診療を受けられる

つまり、マイナ保険証がないと病院に行けない、ということはありません。
あくまで移行後の標準がマイナ保険証になるというだけで、受診できない状況はつくられない仕組みになっています。

■ 事業者への実務的な影響|従業員対応と案内が必要

社労士として多くの小規模事業者を支援している立場から見ても、この制度変更は事業所内の案内や、従業員管理面で注意が必要です。

  • 既存の健康保険証の有効期限の把握
  • マイナ保険証の登録状況の確認
  • 従業員からの「これで受診できるのか?」という問い合わせへの対応
  • 扶養家族の資格確認書の周知

また、今回の変更に伴い従業員の不安も増えやすいため、分かりやすい案内文を配布する事業所が増えています。

■ まとめ|健康保険証廃止は「不便になる」のではなく「移行期間つきの制度変更」

2025年12月の健康保険証廃止と聞くと、どうしても不安が先に立ちますが、
実際には以下のように移行措置が用意されています。

  • 期限切れ保険証も2026年3月末まで暫定利用可
  • マイナ保険証がない人には「資格確認書」を無料発行
  • 医療機関は資格確認をオンラインで行うため急な受診にも対応可能

もちろん、将来的にはマイナ保険証が標準となりますが、移行期間中は従来の仕組みも併存しており、受診できない心配はありません。

医療をより安全で便利にするための制度変更ですので、時間のある時期にマイナ保険証の登録を進めておくと安心です。

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